子宮頚がんワクチンは、子宮頸がんの原因である高リスク群(HPV16、18、31、33、45、52、58型)によるヒトパピローマウィルス(HPV)感染を予防して、子宮頸がんへの進展を防止します。ただし、既往のHPV感染や異形成、子宮頸がんへの治療効果はありません。

現在、子宮頸がん予防ワクチンとして3種類のものが使える様になりました。当院では、以下の2種を取り扱います。

○4価ワクチン(ガーダシル):
HPV16、18型に対する予防効果が期待できます。
HPV6、11型による尖圭コンジローマ(外陰部にできるイボ)に対する予防効果が期待できます。
○9価ワクチン(シルガード9):
高リスク群 (HPV16、18、31、33、45、52、58型)に対する予防効果が期待できます(高リスク型HPVの約88%をカバー)。そのほか、HPV6、11型に対する予防効果も期待できます。
これらのワクチンは副作用(痛み、はれ等)はほとんど変わらず、世界的には9価ワクチン接種が主流です。

・予防率について
初交前の人(HPV未感染)に接種しますと、子宮頸がんの予防率は99%期待できます。
初交後の人(性交経験者の80%はHPVを持っています)に接種した場合、高リスク型を持っていない人では子宮頸がんの予防率は約99%期待できますが、高リスク型を既に持っている人では予防効果はあまり期待できません。
HPV6、11型による尖圭コンジローマの予防効果についても同様です。

・子宮頸がん検診は、接種後も必要です。予防接種を行っても16、18、31、33、45、52、58型以外の高リスク型HPVに感染する可能性はないわけではないので、定期的に検診を実施しましょう。

・接種対象
接種対象は9歳以上(2価ワクチンは10歳以上)の女性です。

・接種回数
接種回数は、各3回です。(初回、2ヶ月後、6ヶ月後)
3回接種しないと抗体が充分につかず、予防効果が充分期待できません。3回目の接種を忘れないようにしてください。3回接種すれば、抗体は統計上約20~30年は維持されると予想されています。

・接種費用
予防接種のため、自費となります。
4価ワクチン:1回あたり17,000円(税込)
9価ワクチン:1回あたり27,500円(税込)

(定期予防接種 (無料) →こちらをご覧ください。)
(9価ワクチンはまだ各自治体による定期予防接種の助成対象になっておりません。)

予約の取り方
初めて接種される方は、予約のお電話をとっていただきます。医師からの説明後に接種となります。
9価ワクチンは厚労省よりの指示で全例登録をおこなっているため、接種希望者によるスマートフォンでの登録が必要となります。

性交経験者の方は予防率、費用などをよくお考えになって、納得された上で予防接種を受けてください。